ブログ、ネットショップ、会員制サブスク……本格的なサイトが本当に必要になるのは、どんなとき?
ワンページサイトにするか迷っていませんか?長年この仕事をしてきて、本格的なサイトの必要性を甘く見て、半年後にすべて作り直すことになった方を何人も見てきました。今回は、率直にお話しします。
最初はスピード重視でワンページサイトを作ったものの、半年後に「ブログ機能を追加できますか」「ショッピングカートを付けられますか」と相談に来られる方が、ときどきいらっしゃいます。
そのたびに、正直にお伝えしなければなりません。それはリニューアルではなく、作り直しです。
ワンページサイトと本格的なサイトでは、構造の考え方そのものが根本的に違います。
ワンページサイトは、内容をすべて1ページにまとめて、上から下へ読み進めていく構成です。一方、本格的なサイトは、内容を1つひとつ独立したページに分けて、カテゴリーやリンクでつなぎ合わせていく構成になっています。
もし、これからご紹介するような用途を考えているなら、遠回りはせず、最初から本格的なサイトを選んでおくことをおすすめします。
長期的にブログ記事を書いていきたい
ブログの本質は「積み重ね」にあります。
今日1本書いて、来月また1本書いて、半年後には50本になっている。これらの記事には、それぞれ独立したURLが必要ですし、日付やテーマで並び替えられる必要もあります。
大切なのは、読者が読みたい記事にすぐたどり着けることです。
ワンページサイトでは、それが難しくなります。
以前、ブログをワンページサイトにまとめた例を見たことがあります。記事がすべて1ページに並んでいたため、ページが非常に長くなり、読者は途中で読むのをやめてしまっていました。
ワンページサイトの設計思想は、もともと「コンテンツを継続的に積み重ねていく」ためのものではありません。この用途には向いていないのです。
ネットショップを運営したい
ネットショップには、思っている以上に多くの機能が必要です。商品のカテゴリー分け、在庫状況の管理、ショッピングカート、決済の流れ、注文通知。
どれもネットショップには欠かせない機能です。
商品が1つか2つだけであれば、予約販売用のページでもなんとか対応できるかもしれません。しかし、商品数が5点を超えたり、お客様が規格を選んでカートに入れて決済する、という流れが必要になったりすると、ワンページサイトの構造はそこで限界を迎えます。
10数点の商品を無理やり1ページに詰め込み、Googleフォームで注文を受け付けていた事例を見たことがありますが、注文内容の照合作業だけで疲弊してしまっていました。こうした苦労は、本来まったく必要のないものです。
会員や定期購読の読者を増やしたい
会員システムには、ログイン機能や権限管理、パーソナライズされたコンテンツなど、バックエンドの仕組みが必要です。単純なページレイアウトだけで解決できるものではありません。
読者に継続して利用してもらうには、ログイン後に専用コンテンツを表示したり、過去に読んだ記事へアクセスできたりする仕組みが必要になります。
このような体験は、ワンページサイトでは実現しにくいでしょう。
コンテンツをカテゴリー別に閲覧できるようにしたい
コンテンツの量が増えてくると、カテゴリー分けが必要になってきます。たとえば、解説記事を「初心者向け」と「上級者向け」に分けたり、作品を「ジャンル」や「制作年」で整理したりするケースです。
そうなると、読者が求めているのは、必要な情報を探しやすいことです。最初から最後までスクロールしなければならない構成ではありません。
カテゴリー別の閲覧機能は、一見すると小さな機能のように思えます。実際には、サイト全体の構造設計や、各カテゴリーページの見せ方そのものが関わってきます。
これは、本格的なサイトだからこそ対応できることです。1ページだけの構成では、そもそも対応のしようがありません。
サイト内検索
コンテンツの量が増えてくると、読者は「あの記事、どこにあったっけ」と覚えていられなくなります。そうなった時点で、検索機能はあれば便利な機能ではなく、なくてはならない機能になります。
私自身の経験では、コンテンツが20〜30本を超えたあたりから、読者は、スクロールや目次だけでは目的の記事を探せなくなります。この段階で検索機能がないということは、せっかくの良いコンテンツを、誰にも見つけてもらえない場所に隠してしまっているのと同じことです。
ワンページサイトは、そもそもサイト内検索を設置する前提になっていません。ページが1枚しかないからです。
ここまでご紹介してきたようなニーズは、いずれもコンテンツを継続的に積み重ねていけること、そして訪問者が自分のペースで欲しい情報にたどり着けることを前提としています。上から順番に読み進めるだけの構成では実現できません。
もし、半年後、1年後の自分が、こうした方向に進んでいきそうだとすでに感じているなら、今のうちに本格的なサイトを選んでおくべきです。最初の段階でドメインやサーバー、管理画面の扱いを理解するのに少し時間がかかったとしても、それは十分に見合う投資になります。
ワンページサイトを作っている途中で「これでは足りない」と気づき、結局すべて作り直すことになる。それよりも、最初からこの道を選んでおくほうが、結果的にはずっと時間の節約になります。